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TOP  >  column  >  「徐福縁たより」2016年3月27日 逵 志保

 2016年3月19日(土)、この日の佐賀は穏やかな春の日差し。佐賀市徐福長寿館(佐賀市金立町・長崎自動車道 金立SA)に少し早く着いた私は、コートを脱いで、TtさんおすすめのSA内の昼食をとろうと散歩道を歩いて行きました。すると池の周りに誰にも邪魔されることなく大きく伸びた土筆がびっしりと生えています。大急ぎで昼食を済ませ、Atさんと時間まで山ほど摘みました。  13時30分から佐賀市徐福長寿館において、日本徐福協会設立総会が開催されました。そして2016年4月1日をもって日本徐福協会の設立が承認されました。  この日集まったのは、佐賀県徐福会【佐賀県】・八女徐福会【福岡県】・天山(あまやま)ふれあい会【福岡県】・徐福さん振興会【宮崎県】・新宮徐福協会【和歌山県】・熊野市【三重県】・神奈川徐福研究会【神奈川県】(7団体)と、逵志保【愛知県】(1個人)でした。会員名簿を見ると、他に日本連雲港商会【大阪府】・奈良徐福研究会【奈良県】・富士山徐福学会【山梨県】・八丈島徐福会【東京都】・男鹿市菅江真澄研究会【秋田県】・小泊の歴史を語る会【青森県】(6団体)と石川幸子さん【大阪府】・鳥居貞義さん【大阪府】・山根朝子さん【京都府】・石倉昭重さん【京都府】・池上正治さん【東京都】・壱岐一郎さん【東京都】(6個人)が名を連ねています。古くからお世話になっている方々がほとんどですが、不勉強でまだ訪ねていない伝承地やお会いしていない方もあり、徐福の周辺はいまもなお動いているのだということを実感することができました。  もうお気づきかもしれませんが、総会のなかでは徐福ならではの約束事が確認されました。例えば私は日ごろ「日中韓」と言いますが、徐福で集まるとき、中国も韓国も発表者ごとに国名の並べ方が異なります。そこで日本徐福協会は設立に当たり、徐福の航海ルートに統一して「中韓日」にしようということになりました。ここに記したお名前が西から順に並んでいるのもその約束事に沿ったものと思います。徐福ならではの観点という意味では、当初考えられていた地域区分についても、徐福の伝承として考えたときに現在の地域区分では伝承地間の関係に無理が生じてしまうことがわかり、再検討されることになりました。言い換えればそれだけ各伝承地の蓄積があるということだろうと思います。  今回、日本徐福協会設立のきっかけは、世界遺産登録に向けて中韓日が協力していこうということになったとき、日本の伝承地をまとめる組織の必要がでてきたからです。 振り返ってみれば、かつて各伝承地では郷土史家たちが孤軍奮闘し、ときには変わり者のように見られながら徐福に取り組んできました。それが決して自分一人ではないことを知り、伝承地間で連絡をとりあうようになってきました。そうするうちに日本全体の徐福の組織を取りまとめようという動きは何度もあったように思います。しかし、どの伝承地も個人も、最終的には組織の傘下として動く必要性を感じず、結局まとまらないままにここまで来たように思います。それでも十分やっていけたのです。しかし徐福が日本国内のことでは終わらなくなってきた現在、やはりそうした組織が必要になってきました。日本徐福協会がつくられることになったのは、機が熟したといってもいいのかもしれません。  いまこうして日本徐福協会が設立するとき、故人となった多くの徐福研究の先駆者たちのことを想います。どんなふうに眺めていてくれているのでしょうか。改めて、この会をしっかりと育てていかなくてはいけないという責任を感じます。  会議の詳細については会員の方には直接報告があるものと思いますのでここでは省略します。日本徐福協会を設立するにあたり、僅かな期間で佐賀県徐福会・八女徐福会・神奈川徐福研究会のみなさんが本当に骨折ってくださいました。紙面を借りて心よりお礼申し上げます。  日本徐福協会役員は次のとおりです。会長に田島孝子さん(神奈川徐福研究会会長)。副会長に澤野隆さん(佐賀県徐福会会長)・土橋寿さん(富士山徐福学会会長)・西義弘さん(新宮徐福協会会長)。運営委員に赤崎敏男さん(八女徐福会)・大串達郎さん(佐賀県徐福会)・津越由康さん(神奈川徐福研究会)早川宏さん(富士山徐福学会)。事務局長に伊藤健二さん(神奈川徐福研究会)。会計に津越由康さん(神奈川徐福研究会)。会計監査に三田満さん(神奈川徐福研究会)。顧問に笹本直樹さん(元八丈島町長・徐福研究者)・壱岐一郎さん(元沖縄大学教授・徐福研究者)・高島忠平さん(旭学園理事長・日本考古学協会会員)・池上正治さん(中国研究者・作家・徐福研究者)・逵志保(愛知県立大学講師・徐福研究者)が決まりました。  5月19日(木)、20日(金)には日本徐福協会が始動し、中韓日徐福文化国際フォーラム佐賀大会がおこなわれます。19日夕刻からは徐福関係者交流会、20日午前中は世界遺産に向けた中韓日の動向を各国代表者が報告の後、中国や日本で総領事を歴任、現在は韓日協力委員会事務総長の柳洲烈さんを講師に迎え、「徐福文化の世界文化遺産登録に向けて」(仮)の講演があります。20日午後は中韓日徐福文化国際協議会の協議です。ご興味ある方、参加申し込み書がありますのでお知らせください。