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「徐福縁たより」2016年7月18日 逵 志保
徐福縁のみなさま、暑い日が続いていますがお元気でいらしゃいますか?ここまであれこれと雑事に追われ、「徐福縁たより」が先延ばしになってしまっていました。
 2016年上半期は日本と中国で徐福の国際会議が開かれました。また開催地に向かう途中で徐福伝承地をそれぞれ訪ねましたので、その報告をします。

2016年5月20日 
第3回徐福文化国際研究協議会
佐賀大会

 日本徐福協会が設立して初の大会が佐賀県佐賀市でおこなわれました。徐福に心寄せる方たちが100人ほど集まり、大会議室はいっぱいでした。この「徐福熱」を広げていくことが今後の課題だと思います。
 今大会、午前は元北京・名古屋で韓国総領事をなさっていた柳洲烈さんの講演がありました。徐福を世界文化遺産にという目標を前に、日中・日韓で仕事をしてきたからこその話を聞くことができ、新鮮に感じました。
 午後は中国、韓国、日本がそれぞれに現状報告。日本は私が報告するようにということでしたので、「日本徐福協会設立をゴールにした話」という主催者からのご要望に合わせ、近現代の徐福を取り囲む状況、決して近代に徐福顕彰を止めることはなかったという事例をあげ、日本徐福協会の設立までの経緯をお話しました。
 今回、報告の中国語・韓国語訳が間に合わず、会場の中国・韓国の方たちには申し訳なかったのですが、報告を終えた後、会場にいらしたWさんが手を上げ、会場の中国人に知ってほしいからと中国語で私の発表内容を再度解説してくださいました。大きなイベントではできないことですが、そんなところもアットホームな会議でした。
 午後のメインイベントは徐福の共同研究を進めていくうえでの研究分野の確定のための協議【写真下:石山嘉男さん撮影】です。徐福は「徐福学」という言葉が出てくるほど、考古学、歴史学、地理学、文学、民俗学、文化人類学、社会学…、様々な学問からの研究が可能です。ですから共同の研究分野を確定することはとても難しいのです。私はこの難解な協議の司会を仰せつかりました。案の定、自身の徐福論を展開する方もあり、どうしたものかと頭を抱えたところで、中国徐福会副会長Lさんが「相手と戦うときには、十指を傷つけるのではなく、一本の指を切り落とすべきだ」といかにも中国らしい発言で流れを一つにしてくださり、なんとか進行することができました。
 今回、中国徐福会は「世界文化遺産登録に向けて、徐福伝説という立場で行く」と方向性を示しました。中国は世界文化遺産登録に向けて本気だと感じました。
 おわりに中国の徐福のドラマ制作発表【写真下】がありました。60回の連続ドラマだそうです。私が関わった荒俣宏さん原作・市川森一さん脚本の中韓日合作連続ドラマの企画は結局実現できませんでしたが、制作発表ではこのドラマの企画の話も紹介されました。

筑紫野「童男丱女岩」を訪ねる

 佐賀に行く途中、福岡県筑紫野の「童男丱女岩」【写真上】を訪ねました。文献記録では知られていたところでしたが、実際にあり、「天山(あまやま)ふれあい会」が管理していると聞き、案内していただきました。
 会によって整備された山を20分ほど登ると、すぐに見晴らしのいいところに出て「童男丱女岩」があり、その下には「船繋ぎ岩」もありました。お聞きすると、Iさんらは「東南官女岩」(とうなんかんじょいわ)と呼んでいて、この岩には中国(東南地方?)から何かが来たというおぼろげな話があったそうです。幼い頃は共有林のあるここまで来て、薪になる木を持って、この岩から草スキーで一気に降りたといいます。昔からの遊び場だったのだそうです。
 Iさんらは後にこの岩のことをインターネットで調べ、「東南官女岩」ではなく「童男丱女岩」だと知ったのだそうです。こうした伝承地発掘、これからもありそうです。

2016年6月14-16日 
2016中日韓徐福文化象山フォーラム

 2012年9月、中国浙江省寧波市象山県でおこなわれる予定だった徐福国際会議が尖閣諸島国有化問題で突然中止になり、以来、いつか象山県での開催をと願っていたところ、3年9ヶ月を経てようやく開催されることになりました。これは象山県のある寧波市が、韓国済州市、日本奈良市とともに2016年アジア文化都市に選定され、今年は文化イベントに許可がおりやすいことがわかり、象山県が飛びついた成果のようです。徐福関係者にとって、徐福を通した中韓日の民間交流の正式な再開にも感じられました。中国徐福会・象山県人民政府から招待状をいただき、大会に参加してきました。
 6月14日、象山に到着。会場の黄金海岸大酒店はリゾート地にありました。次々に参加者が到着し、夕食時の再会が楽しみでしたが、別室に呼ばれて合流できず。ですが別室に集まった方たちを見ると、中国徐福会の方向性が見えてきました。世界文化遺産登録にむけて、今回の会議はこれまでとはかなり参加者の専門分野が変わっていました。
 
 6月15日、2016中日韓徐福文化象山フォーラム一日目。8:15ホテルを3台の大型バスで出発し、徐福上陸地、徐福が不老の丹薬をつくるために掘ったと伝わる丹井(井戸)、徐福が象山に滞在したことを伝える唐代の蓬莱観碑(再建)、徐福が2年滞在したと伝わる石屋などを訪ねました。既に2013年に個人で来た時に案内いただいたところでしたが、手すりの設置など、今回のために細かな配慮が加えられていました。また、以前伺ったときには完成していなかった施設も整備され、展示もかなりお金がかかっていました。象山では古老から徐福の話を聞くなど、子どもたちに伝承していく取組みも試みられているようで、この日は新たに作られた徐福講堂で、子どもたちが『道徳経』を読み上げていました。
 11:00ホテルに戻り、昼食。
 
 午後、早めに大会議室に行くと、再会の記念撮影があちこちではじまっていました。会えなかった間に出版した本をサインを入れてプレゼントしてくださる方も多くありました。なかでも張良群さんは1950年から2015年の『当代中日韓徐福文化交流図志』(2016年)という写真で見せる徐福交流史の本を出版。そこには私が大学生時代に徐福伝説を知った経緯も紹介されていました。またFさんは先祖が唐代の詩人だったそうで、先祖が徐福のことを唐詩に詠んでいたことがわかり、その詩を収めた本をくださいました。誰もが今日のこの日を楽しみにしていたことがわかりました。
 14:00象山フォーラムスタート。司会は地元・寧波テレビ局のアナウンサー。中国の大会開会式では恒例の現地の役人の挨拶の後、中国徐福会会長・張雲方さん、日本は羽田孜元総理の息子・羽田次郎さんが祝辞代読、韓国は元北京・名古屋総領事の柳洲烈さんが続きました。
 開会式に続いて、2012年の象山大会で予定されていた表彰式がおこなわれました。表彰は3種あり、徐福文化貢献賞の個人賞(中国5名、韓国2名、日本8名)と団体賞(中国3、韓国2、日本2)、そして特別賞の徐福研究優秀論著会長賞=徐福文化学術研究賞(中韓日各1名)です。私は徐福文化貢献賞個人賞と特別賞をいただきました【写真下】。
 そのあとホテル前で記念写真の撮影。15:00から基調講演。基調講演には6人が登壇しました。今回の大会の特徴がよくわかるラインナップだったので記します。 
司会:中国:陳勤建:国家非物質文化遺産保護工作専家委員会委員、中国民俗学会副会長、華東師範大学対外漢語学院終身教授
1)中国:羅来興:中国共産党象山県委員会常務委員、宣伝部長「徐福文化の伝承と国際交流の拡大に向けて」
2)中国:姜躍春:中国国際問題研究院世界経済研究所所長、研究員「中日韓の協力を図るチャンスとチャレンジ」
3)中国:劉魁立:中国社会科学院栄誉学部委員、中国民俗学会栄誉会長「地方風物伝説の人的視覚」
4)中国:湯重南:中国社会科学院世界史研究所研究員、博士課程指導教官「徐福東渡と東アジア文化」
5)日本:逵志保:愛知県立大学講師、博士「徐福伝説を中韓日で語り継ぐために」
6)韓国:柳洲烈:韓中投資交流協会諮問大使、徐福国際文化研究協会顧問、韓日協力委員会事務総長、元北京・名古屋総領事「徐福ロード」
 今回の特徴は中国民俗学会の方々が徐福の会議に登場したことだろうと思います。いままで全く無かったことです。中国徐福会は世界文化遺産登録を進めるには「伝説」でいくしかないと5月の佐賀でも主張していましたが、もう次の段階に入っているのだと理解できました。
 中国徐福会・象山徐福会のみなさんが、私にこうした発表の機会を与えてくださったことには、ただただ感謝の言葉しかありません。私は今回、この大会がいつか開かれる時に発表しようと(開催への願掛け)、2012年に準備していた小論を発表することにしていましたが、主催者から「いま一番周りに伝えたいことを新たに原稿にして欲しい」と言われ、だとすれば2012年に尖閣諸島問題で象山大会が期限なしの延期になったこと、当時どのようなやり取りを中国徐福会としたのか、あの2012年9月のことをこの大会で確認しておくことに決めました。今後の徐福伝説を取り巻く交流史に残しておくべきことだと考えたからです。
 この発言については、あとから日本の方に「よくあの場で言えましたね」と言われたのだけれど、私が徐福関係者だけでなく地方政府の方たちが多くいる前でこの発言をすることについて躊躇しなかったのには、何よりも同時通訳への信頼があったからです。今回もまた北京から4人の国レベルの同時通訳の方たちが来てくださいました。そのリーダーで日中担当のYさん、日韓担当のKさんが私の古くからの友人で、二人から私が発表するときは必ず二人が担当するから、私の発言を確実に伝えるから安心して欲しいと言われていたのです。それは本当にありがたいことでした。
 18:00基調講演が終わり、ホテルの会議室から、大ホールに移動。「2016中日韓徐福文化象山フォーラムの夕べ「山と海の伝説」」と題して徐福の音楽舞台がありました。背面の映像とパフォーマンスに圧倒されました。
 そのまま円卓での大宴会が始まり、大盛り上がりで散会。
 
 6月16日、2016中日韓徐福文化象山フォーラム二日目。8:30大会議室で論文検討会。中国:張良群:中国徐福会副会長、日本:田島孝子:日本徐福協会会長、韓国:金享受:済州徐福文化国際交流協会理事長の3人が順に座長をつとめ、15人の発言がありました。
 スタートは今回の会場である象山県徐福研究会の代表。テーマは「徐福東渡と古越文化」でしたが、昨日の私の発表を受けて、急遽テーマを変更、2012年あの日の象山のことを話してくださいました。そして今日のこの日を迎えることがどんなに大変だったか、ずっと開催許可がおりないなか、象山県のある寧波市が日本の奈良、韓国の済州とともに「東アジア文化都市」に2016年選定されたのを知り、これはチャンスと申請し、やっと開催になったことを知りました。こうした事情はなかなか表に出てこないことで、前日の私の発言に共感していただいたことがわかり、本当に嬉しかったです。
 「東アジア文化都市」選定は日中韓の首脳会議で決まった国際イベントだそうで、選定されると1年間この名義を使って様々な文化イベントができるのだそうです。そう言われてみれば、今回の配布物には全て「東アジア文化都市」のマークがついていました。
 みなさんこの日のために準備した発表だから、本当はもっと時間が欲しかったと思います。その点では気の毒でしたが、私は飛行機の都合で途中で会場を抜けることになっていたので、閉会時間が早まり最後まで聞くことができたことは、心残りがなく有りがたかったです。
 10:45早い昼食を取り、11:30車で上海浦東空港へ向かいました。昼食時に羽田孜さんの息子・次郎さんと話しているうちに、ほぼ同じ頃に中国に初めてきたことを知り、1985年ごろからの激動の中国を肌で感じてこれたことは、自分たちに本当に良かったという話になりました。次郎さんは、だからこそ父親の祝辞を届けたいと思ったのでしょう。主催者も羽田次郎さんの参加に感激している様子でした。
 車は上海に入ったころから渋滞。高速道路のいつもの渋滞なのか、それとも事故?と思っていたところで、隣に座っていた新宮市職員Tさんが「今日は上海ディズニーがオープンです」というので、それが本当の理由かどうかはわからないものの、みなで納得。今回の大会は上海ディズニーオープンの日として忘れられることはないと思います。
 15:00上海浦東空港着。6月12日の第二ターミナル爆破事件を受けて、空港に入るのに2段階「爆破検査」と書かれたところで止められましたが、なんとか入場できました。フライトは遅れたものの、中部国際空港からの最終列車に間に合い、夜中12:30帰宅。

千灯徐福記念館、
そして蘇州徐福研究会へ
 
 今回、私は象山に行く前に江蘇省蘇州市崑山市にある千灯徐福記念館に行ってきました。6月13日、上海浦東空港に到着すると、空港まで蘇州市徐福研究会会長が迎えにきてくださっていて、すぐに千灯徐福記念館に向かいました。上海浦東空港から約100キロ、車で2時間ほどで到着しました。
 これまで徐福記念館というと、どこもかなり不便なところという印象がありましたが、ここは「千灯古鎮」という水郷地帯の古い町並みの観光地で、千灯徐福記念館はその古い町並みのなかの古い民家をそのまま使って展示館にしているのでした。だから違和感がなく、展示内容にはまだ課題もあるけれど、古鎮を観光していたら徐福記念館があって、徐福という人物を知りました、というような徐福との出会いを大いに期待できるところでした。
 なぜ蘇州の千灯に徐福?と思われるかもしれません。2500年もの歴史があるこの千灯、外来の侵略を阻むために、かつて北には長城が作られたように、南には防堤が作られたのだそうで、その防堤には土盛がつくられ、その上には遠望台と呼ばれる信号を出すところを建てたのだそうです。その千個目にあたるところが千墩(トウ=土盛)という地名になったとのこと。ところが文革時代に千墩とは名前が暗いということで、明るい漢字を当てて「千灯」になったとのことです。文化大革命にちなんだ名前があちこちにつけられたことは知っていましたが、古い歴史ある地名もそんなふうに変えられていった時代があったのですね。
 千灯に残る徐福伝説によれば、徐福には8人の子があり、1人はここに置いていかれ、3人を連れて行き、あとの4人は日本で生まれた子だといいます。数回に渡る徐福渡海の5度目の成功はこの地からの出航なのだそうです。この地に残された子は姓を王と改め、後の人は始皇帝と徐福を記念して延福寺を建てた(寺名を改めた?)といいます。
 古い町並みを満喫して千灯を発ち、車で1時間ほどで蘇州市に入りました。はじめに蘇州市徐福研究会事務所(小学校の敷地内の建物の2階を使っています)を訪ねました。新旧委員のみなさんが集まってくださり、食事会を用意してくださいました。元会長の管正さんは現在84歳。変わらずお元気そうで、他にも懐かしい方々にお会いできました。
 何年前のことかは忘れてしまったけれど、管さんから蘇州市徐福研究会顧問をとお話をいただいたとき、まだまだ早すぎると言ったら、そんなことはわかっていると言われ、私への励ましと受け取ってお引き受けした経緯があります。残念ながらまだその名にふさわしい役割を果たせてはいませんが、蘇州市徐福研究会がこの地域らしさを出していくことができるよう、これからも応援団をつとめていきたいと考えています。
 20時30分みなさんと記念撮影し杭州に出発。

 以上、今年の上半期は大きなイベントが続きました。ですが下半期もその勢いは衰えません。
 例年通り8月12・13日には和歌山県新宮市で熊野徐福万燈祭、徐福供養式典と新宮花火大会がおこなわれます。
 10月初旬には韓国済州島・南海で徐福の国際会議がおこなわれます。
 10月22・23日には日本の山梨県富士吉田市で「富士山徐福フォーラム国際大会」が主催・富士山徐福学会、共催・神奈川徐福研究会でおこなわれます。詳細お問い合わせは富士山徐福フォーラム国際大会実行委員会 fujisan@way.ocn.ne.jp までおねがいします。
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徐福 XUFU SEO-BOK JOFUKU − 徐福伝説を「縁」とした地域と人とのネットワーク-
http://xufu-net.sakura.ne.jp
 トヨタ財団ネットワーク形成プログラム「アジア隣人ネットワーク」助成(2006年11月―2008年10月)によって作成したものを継続して管理しています。細々と徐福を取り巻く中韓日の状況、私の知り得た情報をお伝えしていこうと思います。「徐福掲示板」には自由に書き込むことができます。まだまだ不完全なページですが、見守っていただければ幸いです。
逵 志保(徐福に関して)
日本:日本徐福協会顧問・熊野市観光大使・八女徐福会顧問/中国:蘇州市徐福研究会顧問(江蘇省)・連雲港市徐福研究所特約研究員(江蘇省)/韓国:巨済徐福会研究顧問(慶尚南道)・済州徐福文化国際交流協会諮問委員(済州道)
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「徐福縁だより」2019年2月3日
長らく「徐福縁たより」が滞っておりました。
2018年の徐福伝説を取り囲む動向について、私のこのブログでは昨年次のとおり案内や報告をおこなっていました。
ここで整理し、2018年の報告としたいと思います。

【徐福伝統行事・イベント】
2018年は国際シンポジウムは中国では開催されず、私が知る限り韓国では咸陽、済州島、南海(参加できず)でおこなわれました。日本では福岡県八女市で伝統行事「童男山ふすべ」がおこなわれ、その後にシンポジウム、8月は和歌山県新宮市で長年続く熊野徐福万燈祭、また京都府与謝郡与謝野町では2回目の徐福研究会が開催されました。

2018年1月20日「童男山ふすべ」【福岡県八女市山内】
1月20日(日時固定)の「童男山ふすべ」、2007年以来久々に訪ねました。変わらずおこなわれていると思っていても、内容は少しずつ変化しており、やはり通い続けなくてはならないと改めて感じた行事でした。
午後から八女市岩戸山歴史文化交流館 いわいの郷にて「九州徐福フォーラムin八女」(主催 八女徐福会/後援 八女市、八女市教育委員会、日本徐福協会/協力 童男山・犬尾城址保存会、韓国巨済徐福会)が開催され、赤崎敏男さんをコーディネーターに九州の八女、佐賀、筑紫野、延岡に韓国巨済が特別参加し、各会の活動報告が行われました。
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/9a3af66074cc9f3fc140d4a2e86ddef5

2018年8月12日・13日 熊野徐福万燈祭に行ってきました【和歌山県新宮市】
8月12日・13日(日時固定)の「熊野徐福万燈祭」に2004年以来(?)出かけることができました。この祭りは私が徐福伝説に出会って初めて調査に入った祭りです。長年の地元資料の蓄積がいまを支えています。地域の方とともにそうした資料を生かしていきたいと感じています。
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/6c49907f6daad8d386d981a519039a11

2018年9月8日 韓国慶尚南道・咸陽徐福国際学術シンポジウム【韓国慶尚南道・咸陽】
2020年のEXPO開催が正式に認められ、今年も山参(天然の朝鮮人参)祭りのなかで徐福国際学術セミナーがおこなわれました。
開催前に郡守や地元議員、大会実行委員長らと、韓国は金海の徐福会会長、中国は中國徐福会会長、連雲港徐福研究所所長、蘇州市徐福会会長、日本から佐賀県徐福会会長・逵で面談。
11:00-11:20 開会式:司会 慶南発展研究院室長 キム・テヨン
            開会の辞 咸陽郡守 ソ・チョンス
            祝辞 咸陽郡議会議長 ハン・テージン
               慶尚南道議会議員 イム・ジェグ
               咸陽山参祭り委員長 ハ・ジョンフィ
        写真撮影
11:20-11:30 2020咸陽山参抗老化エキスポ広報映像
11:30-12:00 基調講演「徐福文化は中韓日の平和発展を成し遂げた」中国徐福会会長 張雲方
12:00-13:20 昼食・休憩
13:20-15:40 主題発表
        「智異山の不老草」咸陽徐福会会長 ムン・ホソン
        「徐福の松林-伝説を語るモノ-」愛知県立大学講師 逵志保
        「咸陽山参祭りの理論的な思考」連雲港徐福研究所所長 張良群 
        「神仙の由来と訪仙図および始皇帝と徐福そして中国の道教」韓国ソンビ文化研究院責任研究員 キム・ギョンス
        「2020年咸陽山参EXPOに向けて(徐福観光資源開発)」八女市徐福会副会長 赤崎敏男
        「徐福、智異山、そして不老草」済州徐福会顧問 クォン・ムイル
        「中国と韓国の神仙思想、そして徐福」ソウル大学哲学思想研究所研究員 イ・ヒョンソン
15:40-17:00 討論&質疑応答 
        座長 慶南大学名誉教授 イ・ウンジン
        討論者 張雲方、キム・ギョンス、クォン・ムイル、逵志保
17:00-    崔致遠の神廟、咸陽山参祭り 晩餐
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/a39d40c74b330cd95573bd171c452656 
  2018年9月9日 韓国慶尚南道・咸陽徐福国際学術シンポジウム
  https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/1d1046232d822cb76bc82e8f486ec4c1

2018年10月20−21日 第1回 韓中日徐福国際文化祭/第17回 韓中日徐福文化国際学術セミナー【韓国済州島】
長年おこなわれてきた学術セミナーに加え、文化祭と銘打ち、中韓日の舞踊が屋外ステージで競演しました。こうした企画ははじめてのことでしたが、日本から参加してくださった創作エイサー高鍋しんかんちゃ〜が大好評を博し、民間交流の大切さを実感しました。
第1回 韓中日徐福国際文化祭/第17回 韓中日徐福文化国際学術セミナー 
日時: 2018月 10月 20日(土)〜 10月 21日(日) 2日間
会場: 大韓民国済州特別自治道徐福公園(徐福展示館屋外イベント会場)/西帰浦KALホテル
日本からの参加者14名
田島孝子:日本徐福協会会長・神奈川徐福研究会会長
伊藤健二:日本徐福協会事務局長・神奈川徐福研究会事務局長
赤崎敏男:八女徐福会副会長
亀山 勉:徐福さん振興会(延岡)会長
逵 志保:愛知県立大学講師・済州徐福文化国際交流協会諮問委員・日本徐福協会顧問
創作エイサー高鍋しんかんちゃ〜:黒木輝彦、税田誠一、日高千晴、日高瑚乃香、倉掛智美、倉掛夢菜、黒木瑞穂、黒木煌、加藤瑞貴
(通訳:国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター客員研究員・金光明)
2018年10月20日
第17回 韓中日徐福文化国際学術セミナー(西帰浦KALホテル)
テーマ:徐福と済州 [鮖謀考察 ▲┘灰帖璽螢坤牾発
10:00-10:10 2018韓中日徐福国際文化祭の紹介 済州徐福文化国際交流協会理事長・李英根 
10:10-10:30 基調講演「済州における徐福文化」中国徐福会会長・張雲方
10:30-12:00 研究発表
座長:済州徐福文化国際交流協会前理事長・金亨受
「韓国の徐福伝説とその実体化について−済州を例に−」中国徐福会顧問・連雲港市徐福研究所長 張良群(中国)
「不老草テーマパーク造成及び徐福展示館観光活性化の提案」(株)地域文化観光研究センター代表・李慶煥(韓国)
「徐福の東渡を活用した済州観光活性化対策−エコツーリズムとグリーンツーリズムを中心に−」前済州観光学会会長・高承益(韓国)
「神仙と徐福」日本徐福協会事務局長・神奈川徐福研究会事務局長・伊藤健二(日本)
「済州島の徐福文化とエコツーリズム開発」八女徐福会副会長・赤崎敏男(日本)
「漢川流域磨崖銘に投影された神仙思想の考察−神仙の道を提案しつつ−」李進榮(韓国)
12:00-13:00 昼食休憩
13:00-14:00 討論と質疑応答
座長:済州徐福文化国際交流協会前理事長・金亨受
 大阪観光大学客員教授・金昌植(韓国)
 済州道文化財委員・洪杓(韓国)
 愛知県立大学講師・逵志保(日本)
 済州国際大学教授・呉昌命(韓国)
韓国地域代表挨拶(南海、咸陽)
第1回 韓中日徐福国際文化祭(徐福公園(徐福展示館屋外イベント会場))
14:00−18:00
韓国の歌と舞踊
徐福祈願祭
江蘇女子民族楽団(中国の演奏)
創作エイサー高鍋しんかんちゃ〜(日本の演舞)
開会式挨拶
 済州道知事
 西帰浦市長
 中国駐済州総領事・馮春台
 済州徐福文化国際交流協会理事長・李英根
韓国の各徐福会(済州、南海、咸陽、巨済)締結式
カラオケ大会
2018年10月21日
15:00−18:30
韓国の歌と舞踊
江蘇女子民族楽団(中国の演奏)
創作エイサー高鍋しんかんちゃ〜(日本の演舞)
カラオケ大会
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/7c0ef6c8d257cfd96fba715cae760085

2018年11月3日 徐福学習講演会に行ってきました【京都府与謝郡与謝野町】
施薬寺の与謝蕪村「方士求不死薬図」(六曲屏風一双)は徐福が描かれているのですが、毎年11月3日に公開されることを知り、2回目を数える会に参加しました。丹後半島の徐福が祀られている新井崎神社も再訪でき、もっと多くの方に知っていただきたい場所と感じました。
11月3日午前 徐福学習講演会(かや山の家)
「中国の徐福文化研究」中国徐福会会長・張雲方さん
「連雲港の徐福研究及びその成果」中国徐福会顧問・張良群さん
11月3日午後 高野山真言宗 滝山施薬寺
与謝蕪村「方士求不死薬図」(六曲屏風一双)見学
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/4dc10786e3a3e7dc0e909b176a09b163

【徐福講演・展示】
2018年3月14日 愛知県立大学・あいち国文の会にて「いまを生きる中韓日の徐福伝説」逵報告
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/8dc1906ff8cc97c97bf2b204638b4033

2018年3月23日新宮徐福講演会のおしらせ「徐福ロマンを科学する」鳥居貞義さん
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/c96571ce51508ddafd25a1fdc518c708

東京で徐福に会える!5月6日まで北区飛鳥山博物館で「徳川家光と若一王子縁起絵巻」展
たまたま近所に住んでいる研究仲間が知らせてくれて出かけることができました。若一王子縁起絵巻に徐福が登場することは知っていましたが、本物を見るのは初めてで感激しました。
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/84b5bd8d3e61f3884c42abdd317f6fde

【徐福漫画】
中国の漫画『徐福外伝』(日本語版)ご案内
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/8bc7ffed36665361b82237268d1e004d

本宮ひろ志『こううんりゅうすい(行雲流水)〈徐福〉』1・2巻でました!
徐福の子孫の額に共通してほくろがあり、私の身体的特徴と重なるため、大変嬉しく思いました。
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/b6cd6b505d4e9db13a017f928d1f6296
  本宮ひろ志『こううんりゅうすい(行雲流水)〈徐福〉』3巻でました!
  https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/43ba87bbceed31c08d9eff2e34815ebd
  本宮ひろ志『こううんりゅうすい(行雲流水)〈徐福〉』4巻でました!
  https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/c8689ab836b045d3943a5bc9f91e3eed

【徐福新商品】
新商品についてはそれぞれ現地の方から情報をいただきました。
【佐賀県佐賀市】徐福のお菓子の新顔「徐福の旗」「徐福の種」「徐福菓子」
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/b8605709af84bdd9143bed1518ddd3af
【和歌山県新宮市】徐福蓬莱本舗の石鹸「徐福の磨」と熊野ヒストリークエスト
https://blog.goo.ne.jp/horuhorushiho/e/6c1b3ce7ebec505739e8e81627538224

さて、2019年です。
今年もはじめは福岡県八女市の「童男山ふすべ」でした。

1月19日(土)14:00〜16:30 八女市・巨済市徐福文化交流会 おりなす八女小ホール(八女市本町 八女市役所隣)
1月20日(日)10:00〜    童男山ふすべ 八女市童男山古墳(雨天時はふれあいの家南筑後)

また、八女徐福会の提案で、「巡回パネル展」が始まっています。全国の徐福団体が作成した写真や説明パネルを相互に貸し出し、全国の徐福文化を一同に紹介する機会をつくろうとするものとのこと、先ずは1月14日(月)〜27日(日)徐福文化全国巡回パネル展が「おりなす八女ホール」で始まっています。是非お出かけください。

という私は1月18日、今年は八女にはいけず、宮崎県東臼杵郡美郷町に向いました。18-20日の2泊3日は「師走祭り」でした。この祭りは百済王の渡来伝説に関係があるといわれています。その古い文書には、かつて徐福が来たように百済王がやってきたというような記述があります。もう一つの渡来伝説に浸っていました。

今年もよろしくおねがいします。
「徐福縁たより」2019年3月29日 逵 志保
 まもなく3月も終わり、桜の開花があちこちで伝えられています。3月は日本の徐福の講演会やシンポジウムが重なりました。 まずは私の講演の報告から。

2019年3月16日 菰野町よもやま歴史教室 
逵志保「いまに生きる中韓日の徐福伝説-熊野市波田須を手がかりに-」(三重県菰野町)


 菰野町よもやま歴史教室で講演「いまに生きる中韓日の徐福伝説-熊野市波田須を手がかりに-」(三重県菰野町)をおこないました。菰野町よもやま歴史教室は1996年10月から地道に講演会を20年以上続けている歴史ある会だそうで、私は238回目の講演でした。依頼をいただいたときに「平成最後の」とおっしゃっていましたが、毎月だったらまだ4月は平成なのにと思っていたのですが、4月はないそうなので、本当に平成最後になりました。
 登壇したときに感激したことがありました。それは私のパソコンの脇に天台烏薬が花瓶に挿して置かれていたことです。プロジェクターの具合を確認するために、まだ参加者が入る前に会場に入ったときにはなかったのです。参加者のおひとりが持参くださったということでした。天台烏薬とは徐福が探した不死薬として熊野地方で伝わるものです。1978年に小平氏が来日したとき、彼が「蓬莱の国に不死薬を求めにきた」と発言したことに合わせて、新宮がこの天台烏薬を土産に持たせたということです。講演のテーマに合わせてこんなはからいをしてくださることに本当に嬉しくなりました。 
 後日、会場アンケートの結果が送られてきました。107名の参加があり、83名もの方がアンケートの応えてくださっていました。このアンケート回収率からもわかりますが、「徐福伝説は知らなかったが、話を聞いて興味が湧きました。良かったです」「国家間の政治トラブルを文化が助ける例ですね。文化交流の大切さを改めて感じました」というような感想が多く、お話する機会をいただいて本当に良かったと思いました。また、熊野市はわざわざ徐福のパンフレットや波田須のマップを持って駆けつけてくださいました。みなさんありがとうございました。
順番がおかしくなってしまいましたが、3月はいくつもの徐福のイベントがありました。




2019年3月1日 
徐福講演会 赤崎敏男「韓国の徐福伝承について」(和歌山県新宮市)


 赤崎さんは2000年の福岡県八女市の徐福伝説の調査以来お世話になっていて、出会ってもう20年近くなります退職後に韓国留学を実現し、考古学の立場から徐福伝説研究に取り組んでいらっしゃいます。今回、韓国の徐福伝承というかたちでその全体像を見せてくださったのは意義あることでした。




2019年3月17日 「徐福東渡のナゾに迫る〜DNA研究から見た渡来系弥生人〜」学術シンポジウム(佐賀県佐賀市)

 佐賀県徐福会は吉野ケ里遺跡発見に関わるメンバーが支えていることから、古人骨のDNA研究の国内第一人者の国立科学博物館副館長・篠田謙一さんを迎え、高島忠平さん、七田忠昭さんという、こちらも長く徐福研究でお世話になっているおふたりが登壇しました。





2019年3月5日〜20日 
筑紫野市天山ふれあい会「徐福文化全国巡回パネル展」・徐福文化講演会(福岡県筑紫野市)


 筑紫野市生涯学習センターにて、日本徐福協会が企画した徐福文化全国巡回パネル展がおこなわれ、初日の5日には徐福文化講演会がおこなわれたそうです。
講演内容 天山ふれあいかい会長・井上元生「天山「童男丱女岩」」
     八女徐福会副会長・赤崎敏男「徐福を語る(徐福文化の世界無形文化遺産登録をめざして)」




 さて、4月です。
 いちき串木野市では第18回徐福花冠祭が(4月13日(土)前夜祭、14日(日)本祭)が開催されます。田中星児ミニコンサート(いちき串木野観光大使)もおこなわれるようですから、ぜひ一度おでかけください。詳しくはいちき串木野市HPを御覧ください。

 GWには中国の琅琊暨徐福研究会と蘇州市徐福研究会から招聘いただき、最新の徐福の現場を見てきます。日本だけではない、徐福の盛り上がりをご報告できるよう、しっかり見てきたいと思います。

2019年3月29日記
  1. 「徐福縁たより」2016年3月27日 逵 志保